パッと浮かんだ訳文が変だなと思ったら、どんなに初歩的な単語でも辞書を引くことだ。翻訳家が単語の意味を正確に知らないことはまったく恥ずかしいことではない。辞書を引いて確認しようとしないことが恥ずかしいのだ。
ここで言う「辞書」とは英語の辞書のことですが、日本語の辞書についてもそのまま当てはまると思います。いい訳語がパッと思い浮かんだ――そう思って国語辞典を引いたら、実は言葉の意味を誤解していた・・・なんてことが、僕の場合はよくあります。
あと、辞書に関してもう1つお勧めしたいのが、英英辞典の活用。それも、COBUILDやLongmanなどの学習者向け英英辞典がお勧めです。英和辞典だと、定義の先頭に出ている代表的・汎用的な訳語にどうしても引っ張られてしまいがち。英英辞典の定義から自分で訳語を考える方が、文脈やニュアンスにピッタリ合った言葉が見つかることが多々あります。
辞書をこまめに引きながら、頭をひねって訳語をつむぎ出す――そんな鍛錬を繰り返していけば、翻訳力がアップすること請け合いです。